フォニックス(phonics)とは?

英語の文字の綴りと発音の対応ルールを学習する方法の1つです。

しかし、歴史的につねにフォニックスが受け入れられてきたかというとそうではなく、1世紀以上に渡るホール・ランゲージ(whole language)との議論がありました。ホール・ランゲージは、別名“meaning-emphasis”と呼ばれていたように、文脈から単語の意味を理解・推測することを強調しました。1998年に、米国学術研究会議が効果的な読みについての研究報告書Prevention of Reading Difficulties in Young Children(Snow, Burns, and Griffin, 1998)を提出し、体系的かつ明示的に指導されたフォニックスは、ホール・ランゲージにおける embedded-phonics や、まったくフォニックスを使わない指導法より有効であると述べています。現在では、フォニックスとホールランゲージどちらかだけでなく、両方の利点を生かすことが奨励されています。

日本語の仮名文字は基本的に「一文字一音対応」ですが、英語はそうではありません。そのため、英語圏では子どもたちが読を習得するまでに、日本語と比べてもとても時間がかかります。フォニックスは英語を学ぶ子どもたちに効果的に読み書きを指導する方法として工夫・研究されてきました。フォニックスでは文字と音の対応規則を教えます。例えば「発音 /k/ は c, k, ck のどれかで書かれる」のように、ある音がどの文字と結び付いているかを学習することで、文字の音を組み合わせて知らない単語の音を推測し、読むことができるようになります。アメリカでは幼稚園から音韻認識(phonological awareness)の指導が始まり、段階を経てフォニックスを導入し、小学校3年生頃までにフォニックス学習が終わります。

 

Learning to Read : The Great Debate by Jeanne Chall

 http://fcis.oise.utoronto.ca/%7Edaniel_schugurensky/assignment1/1967chall.html

 

 

フォニックスを使う利点

文字と音の対応ルールを知ることで、初めて見た単語の読み方を推測したり、聞こえた単語の文字を推測することができるようになります。

アメリカの1年生の国語学習事情

National Center for Education Statisticsの、Instructional Focus in First Gradehttp://nces.ed.gov/pubsearch/pubsinfo.asp?pubid=2006056)によると、約60%の1年生が国語(reading and language arts)の授業や課題に費やす時間は一日90分で、他の科目の10倍多いということが指摘されています。また、80%以上の国語教師(公立・私立)がフォニックスを毎日取り入れていると報告しています。

異なるタイプのフォニックス

1.Embedded Phonics 

ホール・ランゲージで用いられている。実際に読書の過程で出てくる語彙の文字−音関係を指導するやり方。系統的な指導法ではなく、読みの最中に適宜教えるというもの。

2.Synthetic Phonics

読みと綴りを同時に学習やり方です。文字を音に変換し、その音を合わせて単語を作る練習をします。例えばc-a-t = catやsh-oo-k = shook。その逆に語の音を分解して、文字に変換することも学びます。例えばdot = d-o-t, や cheek = ch-ee-k. SyntheticPhonicsでは、未知の単語は扱わないため、子どもは安心して取り組むことができます。

3.Analytical Phonics

単語の中の特定の音を分析するよう生徒に指示します。ホール・ランゲージと共に用いられることが多く、教師はたとえば黒板に、cloud, house, loud, mouse と書き、それらの単語に共通した音は何か推測させます(この場合は’ou’)。最初に単語全体を理解してから細部へとアプローチするやり方で、Synthetic phonics とは全く逆のアプローチになります。Analytical phonics では、子音の混合を多く覚えます(例:'br','st' , 'bl'など)

4.Analogy Phonics

Analogy phonicsは、analytical phonicsの1つで、単語の”固まり(chunk)”に注目するため、chunkやword familiesと呼ばれることがあります。たとえば教師は、'at', 'an' or 'ip'で終わる単語に注目させ、下の写真のように語頭の文字を入れ替えた練習を行います。

(参照 The Different Types of Phonics, A Step at a Time:http://www.astepatatime.co.nz/what_is_synthetic_phonics.htm)

 

参考Types of phonics instructional methods and approaches:http://www.readingrockets.org/article/254/

Three approaches to phonics: