ADHDとは

ADHD(Attention-deficit / hyperactivity disorder:注意欠如・多動性障害)とは、年齢や発達に不つりあいな不注意さや多動性、衝動性を特徴とする発達障害*で、日常活動や学習に支障をきたす状態をいいます。

 

ADHDの主な症状は「不注意」、「多動性」、「衝動性」で、こうした症状が少なくとも2つ以上の状況(学校と家庭など)であらわれます。

 

 

主な症状

  • 不注意→集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽい
  • 多動性→じっとしていることが苦手で、落ち着きがない
  • 衝動性→思いついた行動について、行ってもよいか考える前に実行してしまう

これらの症状のあらわれ方は人によってさまざまですが、そのあらわれ方の違いから
不注意が目立つタイプ
多動性・衝動性が目立つタイプ
混合タイプ
3つに分けられます。

 

 不注意が目立つタイプの特徴 (旧ADD)
  • 忘れ物が多く、物をなくしやすい
  • 気が散りやすく、集中力が続かない
  • 興味があるものには集中しすぎてしまい、切り替えが難しい
  • ボーっとしていて、話を聞いていないように見える
  • 行動が他の子よりワンテンポ遅れる
  • 字が乱れる
  • 不器用(縄跳びなどが苦手)
  • 片付けられない
  • あまり目立たない(ADHDであることに気づかれにくい)
  • 女の子に多い傾向がある

 


 多動性・衝動性が目立つタイプの特徴
  • 落ち着きがなく、授業中立ち歩く
  • 体を動かすことがやめられない
  • 衝動性が抑えられず、ささいなことで手を出してしまったり、大声を出したりする
  • 乱暴な子、反抗的、という目で見られやすい
  • 男の子に多い傾向がある
  • ADHD全体の割合からすると少数

 


 混合タイプの特徴
  • 不注意と、多動性・衝動性の両方の特徴をもつ
  • 忘れ物が多く、物をなくしやすい
  • 落ち着きがなく、じっとしていられない
  • 衝動が抑えられず、順番が守れなかったり、ルールが守れなかったりする
  • ADHD8割がこのタイプといわれる
  • 不注意、多動性、衝動性のあらわれ方の度合いは人によって違う

https://www.adhd.co.jp/about/symptom/default.aspx#a01

 


 

 不注意型 ケース(女児の例)

身体を動かすことは好きだが、テンポが遅く、周りに合わせるのが苦手。ピアノを習うも不器用なため続かなかった。幼稚園の頃は特に指摘を受けなかった。小学校入学時点で、何とか自分の名前が読めるくらい。
小学校入学後、読み書きが定着しない、鏡文字を書くなど学習面の困難さが明らかになるも、担任からは『個人差ですので心配ないでしょう』とのこと。
授業中、書くのが遅くノートが書ききれないので休み時間に書いている。
ボーッとしていることが多く、声かけが必要。
担任からは『やればできるでしょ。早くしなさい。出来なければ残りは家でしなさい。』といわれ、毎日2時間自宅学習。
2
年生になるとますます学習についていけなくなり、教室では緘黙傾向が見られるようになり、朝の登校しぶりも出現。
3
年生の担任からすすめられ受診。
父親の話では、音読はすらすらできるが、途中から読むように指示すると読めないので、丸覚えしているようだとのこと。

 

<学習面>

① 授業中に課題やノートを仕上げるのが難しい
② 音読はつぶ読み
③ ひらがなやカタカナは問題ないが、漢字は1年生レベルの読み書きが困難。

 

<行動面>

① ゆっくりしている
② 運動より、机上の作業が好き
③ 決められた係活動などはまじめにこなす

 

http://www.mdd-forum.net/jirei05.html

 


 多動性・衝動型 ケース (A君の例)

A君が、初めて私達のところにやってきたのは今から5年前の、もうすぐ4歳とい う時でした。お母さんはA君のことを、歩き始めの頃から落ち着かないと思っていたそうです。ただ男の子はこういうものかな、と考えていたとのことでした。ところが、保育園に入ったA君は、しばらく経っても集団行動がとれません。園の先生から、そのことが問題と指摘され、私達のところに相談に来られました。
 当時のA君には、集団行動がとれないことのほかに、次のような問題がありました。

●着替えの途中で遊んでしまう。このために、とても時間がかかる。
●あちこち目移りするために、一つのおもちゃで集中して遊べない。はさみを使ったりする工作で、最後までやり遂げられない。造形活動は、はじめからいやがり、やろうとしないことも多い。
●順番などで、待っていられない。
●ほかの子に手や足が出る。
●自分のクラスから出ていき、他の教室に行ってしまう。
●お母さんが洗濯物を干すなど、家事をしている間に外へ出ていく。
●高い所にのぼりたがる。また高い所を怖がらない。
●人見知りをせず、誰にでも声をかける。
●自分の思い通りにならないと、大声をあげて騒ぐ。
 こうやって、当時のA君の行動をあげてみると、AD/HDの子ども達に特徴的なものが、いくつも含まれていることがわかります。

http://www.hattatsu.or.jp/senmon/adhd01.htm#adhd01

 

 


ADHDへの教育的支援

  1. 集中しやすいように、余分な刺激を減らし環境を調整する
  2. 望ましい行動は増やし、望ましくない行動は減らす
    • 目立たない時こそほめる
    • すぐにほめる、まめにほめる
    • 目に見える具体的なごほうびの使用
  3. トラブルを起こさない工夫
  4. 失いやすい自信と意欲を支える手だてーできる目標を設定する
    ~目標設定のコツ~
    A. 少しがんばれば達成可能な目標であること
    B. 目標となる行動がはっきりしていること
    C. 挽回のチャンスがあること 
  5. 基本的な信頼関係と自尊感情を育てる

 

 


コントロール力を育てるために

  1. 力づくで抑えるのではなく、どうすべきか子ども自身が考える教育
  2. 環境調整やメモの活用など、集中困難やワーキングメモリの弱さへの手だて
  3. 自尊心を育てる

 

(脳からわかる発達障害 子供たちの「生きづらさ」を理解するために 鳥居深雪)

 

 

 


参考図書・リンク

鳥居深雪:脳からわかる発達障害

子供たちの「生きづらさ」を理解するために、中央法規,2011

https://www.adhd.co.jp/

http://www.mdd-forum.net/jirei05.html

http://www.webmd.com/add-adhd/guide/adhd-symptoms?page=2