自閉症スペクトラム周辺の方々の中には、音やにおいなど日常の情報を処理することが難しさを抱えている場合があります。これを“感覚過敏”あるいは感覚統合障害と言います。

 

これには主に二つのグループに分けられます。

①  感覚鈍麻 外部からの刺激に対して感覚が鈍く、情報を感覚に届けることが難しい

②  感覚過敏 感覚に対して、異常に正確に反応する

 

ここでは感覚過敏について述べたいと思います。

 

脳は感覚の情報を受け取ったあと処理をして、その情報を分類整理したり、位置づけ、理解したりする手助けをしてくれます。そして思考や感情、動作や行動(感覚に意味を与えて知覚*に変化)といったもので私たちは周囲に適切な反応をします。

 

私たちの身体のあちこちには感覚受容器があり、感覚情報(感覚・知覚)やが外部刺激を拾います。手足には最も多くの受容体があります。ほとんどの場合、私たちは無意識に、考えることなく情報処理を行っています。

 

自閉症スペクトラムの方々も含め、感覚統合に難しさを抱える方は、その無意識の情報処理に何らかの課題があるといえるでしょう。

情報処理と統合がうまくいかずにストレスがたまり、不安が強くなると、物理的に”痛み“が出てくる場合もあります。そして問題行動と呼ばれることにつながっている場合もあるのです。

*知覚 入力された情報に与える解釈や意味)

 

 

感覚の種類

定型発達の方とのとらえ方の違い

 視 覚

感覚鈍麻の場合

●物体が暗く見えたり、特徴を見失う

●真ん中はぼんやりしていて、周りははっきり見える(あるいはその反対)

●奥行きが図りづらく、投げたり受けたりが難しい

 

感覚過敏の場合

●視界が乱れている。物体や光が飛び回って見える

●断片的なイメージ

●全体を見るより詳細部を見る方が得意

 


 音

感覚鈍麻の場合

●片方の耳で聞き、もう片方は全く聞こえていないか、断片的な聴覚である可能性

●特定の音が認識できていない

●人ごみの中、ドアを音を立てて閉めたり、物で音を立てることを好む

 

感覚過敏の場合

●騒音が拡大され、音が乱れる

●異常に音に敏感 例)離れた距離から会話が聞こえる。地獄耳。

●音を遮断することができない。特に後ろの音が気になって集中ができなくなる

 

 


 触 覚

感覚鈍麻の場合

  • ぎゅっと掴む
  • 強い痛みをはじめに感じる
  • 自傷
  • 重たい毛布などを好む

 

感覚過敏の場合

  • 触られるということに痛みや不快感を感じる。時に人間関係に影響を及ぼす。
  • 手や足に何もつけたがらない
  • 頭が過敏なため、髪を洗ったり、櫛やブラシで髪を整えたがらない
  • 決まった洋服や材質を好む

 


 味 覚

感覚鈍麻の場合

  • 辛くてスパイシーな食べ物が好き
  • 何でも食べる(土、草、粘土など)

 

感覚過敏の場合

  • 味覚が繊細で特定の味や食べ物をきついと感じる。偏食になる。
  • 不快に感じる原材料がある。アイスクリームやマッシュポテトのようなまろやかなものしか口にしない人も。

 


 前 庭 感 覚(バランス)

感覚鈍麻の場合

  • 揺れたり、ぐるぐる回ったりすることで外部から刺激を得ようとする

 

感覚過敏の場合

  • 動作にコントロールが必要なスポーツが難しい
  • 動いているときにすぐに止まれない
  • 車酔い
  • 頭がまっすくでなかったり、足が地についていない状態での活動が苦手

 


 前 庭 感 覚

感覚鈍麻の場合

  • パーソナルスペースが読めないために人の近くに寄りすぎる。
  • 人にぶつかる
  • 障害物を避けるのが難しい

 

感覚過敏の場合

  • 微細運動が苦手。ボタンかけや靴ひもを結ぶことが困難。
  • 身体全体を使って物を探したりするのは苦手。